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定年退職後ロンドンで始めた学生生活の日記

二十歳頃に計画しながら実現には至らなかった海外暮らしの夢を、長い会社員生活を終えた後ついに実行に移しました。行先は、本場の英語をもう一度学び直したかったこと、勉強以外にも滞在生活を楽しめる要素に満ちあふれていることなどからロンドンを選び、2009年4月23日から2010年3月25日までほぼ11ヵ月間滞在しました。従ってこの日記はちょうど2年前の出来事をあたかも現在進行形のように書いているものです。

2009年6月2日(火) フラットの下見に行く

6時30分起床。快晴のち曇り。

睡眠の質に少し不安な時期があったが、ふたたびぐっすり眠れるようになった。このところの本当に良い気候のおかげで寝起きも良い。梅雨が近づくにつれてジメッとする日本の6月とは正反対にイギリスの5~6月は一年で一番良い時期と言えるかも知れない。天気が安定して湿度も低いので屋外で何をするのにも最適である。もっとも手軽なところではカメラ片手に散歩も良いし、公園の木陰でただボーッとしたり本を読むのもまた良いし・・・。

午前のクラスはだいたい12~13名のメンバーがコンスタントに出席しているが、うち中国人と日本人が4名ずつである(他は一人ずつ異なる国籍)。まったくの主観ではあるが、日本と韓国との距離より日本と中国との距離の方が近いように思う。もちろん物理的な距離のことではなく心理的な距離のことである。10億超もの人を一つの個性として捉えるのは極めて無謀だし不可能ではあるが、クラス内のこととして捉えればあながちかけ離れた話ではない。考え方や人生観や家族の関係などがびっくりするほど似ていると感じることが何度もあった。

何より嬉しいのは漢字文化を共有していることで、もちろん簡体字は日本人には読めないことも多いのだが、中国人の方は現在我々が使用している漢字を読み書きできるのでいざとなれば筆談が可能なのだ(その人が受けて来た教育にもよるだろうが)。彼らは広島や長崎のこともよく知っているし、京都や神戸のことも知っている。それは公に選ばれて、または自力で英国に留学しているような特別な層だからだと言えばそうかも知れないのだが・・・まあお互いの国の政治状況を考えれば考えるほど安易に皆良い人達だと言えるほど簡単なことではないと頭では思うものの、一対一で気持ちが通じることを素直に喜ぶだけでも良いのではないか?

さて、今日も日替わりランチ3.35ポンド(約500円)。メニューはビーフストロガノフとポテト=写真なし。
今日使ったお金はこれだけだった。

午後のクラスはそろそろドロップアウトしようかな?と考えたことも何度かあったが、結局ここまで惰性で来てしまったような感じである。そう、あと7回で終わりなのだ。こうなれば、もう最後までつき合うしかない。

放課後、昨日約束した通りLondon-Tokyo Property Services Ltd.(長いので以後LTPSと略す)へ16時45分に行く。

Officeには圧倒的に女性が多い。今日物件の案内をしてくれたのも九州弁を話す女性であった。福岡かと思ったが聞けば大分だそうである。車に向かう途中で、九州ですか?と聞いたら、"わかりますか?"と問い返された。そりゃ誰でもわかりますとも、それだけストレートな九州弁を聞けば・・・。

今日はまずオフィスの近くの物件3件を見せてもらった。わざわざ車を使わず歩いてでも行けそうな距離だった。一番初めに向かったのはJubilee Lineでちょうど一駅隣のWest Hampstead(ウエストハムステッド)にあるワンルーム。
ホームステイは基本的に普通の家族が住んでいる家の文字通り間借りなのだが、賃貸フラットは一部屋一部屋が独立してバストイレもあり(もちろん共同式のところもある)、そういうのを中に入って見るのは初めてだったので興味津々。下見とは言ってもまだ見る目を養う、といった段階なので、自分がここに住む、というイメージはほとんど持てない。

その物件だが、First Floor(英国では一階はGround Floorなので、First Floorは日本の二階のこと)で部屋は広目、電気水道料込みで200ポンド/週という条件。ただバスタブはなくシャワーのみである。オーナーは個人でなく会社なので故障トラブル時の対応は良いとのことであった。

次に見に行った2件は、何とあのAbbey Road(アビーロード)に面したフラット。有名なビートルズの使用していたスタジオのある通りである。
0602ABBEYROAD1_convert_20110603002856.jpg

ここでちょっと豆知識を:フラットには、大きく分けてConversion Flat(コンバージョン フラット)とPurpose-built Flat(パーパスビルト フラット)がある。前者は元々個人の住宅だった一つの大きな建物を多くの世帯または単身者が住めるように内部を改装したもの、後者は初めから部屋毎に賃貸できるように設計されて建てられたもののことである。

一つはSixth Floor(7階)でエレベーターが1台しかなくなかなか降りて来なかったのがマイナス点。部屋は先ほどの物件より広く日当りも良い。常駐ではないが専従のポーターもいるそうである。195ポンド/週。

最後は240ポンド/週と少し高いが、それだけのことはあって建物も内部もなかなか高級感がある。ワンルームながら玄関を入ってすぐ独立したスペースがありそこにソファベッドまで置いてある。メインルームを占めているのは他の物件と同じくベッドとテーブルとキッチンである。ここの最大の利点は建物の入口からバス停まで1分もかからないし、地下鉄Jubilee LineのSt. John's Wood(セントジョンズ ウッド)まで徒歩5分くらいで行けることである。
0602FLAT_convert_20110603010250.jpg

敷地からAbbey Roadに出るとビートルズのレコードジャケット写真でおなじみの横断歩道が見える(バス停の向こうに)。
0602ABBEYROAD2_convert_20110603002914.jpg

0602ABBEYROAD4_convert_20110603002951.jpg

今日見た中では最後の物件が一番良かった、とはいえ予算的にちょっと難しい・・・。もう少し探しておいてもらうことにして下見第一日目は終了。

18時15分帰宅。

洗濯はキッチンにセットしてある洗濯機を勝手に使って良いということだったが、一昨日入居時に一通り聞いた使い方を忘れたので、もう一度教えてもらう。全自動だが洗剤と柔軟剤の入れ方、運転モードの設定の仕方がわからないと使えない。でも一度実際に使ってみれば簡単であった。

1時間くらいかかる洗濯が終わるまでに、昨日買っておいたレンジ調理食品とサラダで夕食。
さらに40分ほど乾燥にかけて洗濯は無事完了。

いろいろと初体験の多い一日だった。

23時就寝。
  1. 2011/06/02(木) 15:57:13|
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Author:oldstudentinlondon
高校時代は生物研究クラブ、大学は理学部生物学科、社会人生活は製薬会社と臨床検査会社、という具合にずっと生命科学の世界にどっぷり浸りきっていたのですが、定年退職が近づくにつれて、これまでとはまったく異なる分野のことを少しでも知りたいと考え、英語、英国文化、芸術等について学ぶことを目的にシニア留学に踏み切りました。
結果として期待以上に充実した時間を送ることができました。真っ先に挙げられるのは、これまでおよそ話す機会もなかったような若い世代の友人達と親しくつき合えたこと、そしてこれまでマスコミ等を通じて間接的にしか知り得なかった国々から来た学生達と話すことを通じてそれらの国に対する自分のイメージが大きく変わったこと、です。やはり海外に住んで改めて日本を見直すということは、年齢に関わりなく極めて意味深いものだと実感しました。
なお、記事中の人名は、知人については本人の承諾を得た場合を除いて仮名を用いています。政治家、アーティスト等広く一般に知られている人については原則として実名を用いています。

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