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定年退職後ロンドンで始めた学生生活の日記

二十歳頃に計画しながら実現には至らなかった海外暮らしの夢を、長い会社員生活を終えた後ついに実行に移しました。行先は、本場の英語をもう一度学び直したかったこと、勉強以外にも滞在生活を楽しめる要素に満ちあふれていることなどからロンドンを選び、2009年4月23日から2010年3月25日までほぼ11ヵ月間滞在しました。従ってこの日記はちょうど2年前の出来事をあたかも現在進行形のように書いているものです。

2010年3月18日(木) 南方熊楠

7時30分起床。曇一時晴。気温17~6℃。

明治という時代は、日本の政治、経済、社会、産業、文化を始めとする大革命の時代であった。もちろん歴史上その他の時代にも傑出した人物は枚挙にいとまがないが、青壮年期に20世紀を迎えた明治の日本人の中で特に異彩を放っている一人に”南方熊楠(みなかたくまぐす)”がいる。夏目漱石、正岡子規、”坂の上の雲”の秋山兄弟らと同時代の人だが、日本の大学へは進まず20歳で渡米して植物学の研究(標本採集)を続け、25歳からイギリスに居を移して一時期British Museum勤務を含めて8年間過ごした。
漱石が官費留学生としてロンドンに向けて横浜港を出発する1週間前に熊楠もロンドンから日本へ帰国の途についているため二人がロンドンで会うことはなかったが、熊楠は研究者としての評価と孫文を始めとする数多くの友人をロンドンで得た。

日本では1980年代以降に熊楠の再評価が始まったが、それ以前には一般に広く知られているとは言えなかった。このBLOGのプロフィールに書いたように学生時代は生物学を専攻していた関係で、毎年夏になると1週間ほど南紀白浜にある京都大学の瀬戸臨海実験所を借りて泊まり込みの臨海実習があり、附属水族館に隣接した南方熊楠記念館に行っては粘菌やシダ類の標本とか彼の在野の研究生活の様子を垣間見てただただ圧倒されたことを思い出す。

そこで帰国する前に一度熊楠の住んでいた場所を訪ねてみようと思ったのだ。漱石を思い出すまでもなく恐らく8年間同じ場所にいたわけではないだろうが、インターネットで知り得たフラットがケンジントンに現存するためそこへ向かった。

住んでいるフラットの前から328番のバスでHigh Street Kensingtonまで21分と書いてある
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実際には渋滞でその倍近くかかったが、13時20分に到着。

駅近くにある”ZAIKA”というモダンインド料理レストラン 
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数年前に偶然入って以来好きなレストランの一つだが学生向けの値段ではないので、今回の滞在中は一度も行っていない。

ランチはアメリカ発祥のオーガニックスーパー(と言うのかどうか知らないが)WHOLE FOODS MARKETのKensington店で
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Piccadilly Circusの近くにもあるがそちらはずぅっと小規模店だ。しかしこちらはTubeの駅にも近く、3フロアを占めてかなり広いのだ。
First Floor(2階)には各国料理のカフェテリアがある。当然のように寿司店もある。

夏までよく通っていた大学のカフェを思い出す光景 
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ブリトー(メキシコ料理)売り場
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ランチはフィッシュタコスと缶入ドリンク2本 プライベートブランドのドリンクは非常に味がしっかりしていて美味しい これだけで6.77ポンド(900円強)
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揚げたてのフィッシュフライは衣はサクサク、中はほっくりしてとても美味しい
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一息入れた後、Kensington High Streetから左折して南方向へ歩く。

Muffin Man(マフィン専門店)は満席 興味を惹かれるが今食べて来たばかりなのでパス
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この通りを右に入ったところにフラットがあるはず
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通りの名前を確認
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右側に白っぽい建物が並んでいる
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Blithfield Street 15番地 このフラットだ
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ここが熊楠の住んでいたフラットだがブループラーク等は無し 
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行き止まりなのでここから引き返す もう一度左側の建物の緑のドアをしっかり見ておく
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Kensington High Streetから9番のバスでGreen Parkへ。日本国大使館(総領事館)に立ち寄って帰国届を提出。ウェブサイトからでも届出はできるのだが、滅多に訪れる用もないことなので記念?に直接提出した。

17時にいったん帰宅。LEEレトルトカレーを食べてから再度出発。

18時30分からCambridge Examクラスに出席。来週の2回で終了なのだが、25日には帰国するため今日が出席できる最後の日。しかしもう既に気分的には帰国の多忙感が優っているので、それほど名残惜しいような感覚は覚えず。帰り際に講師のGALEとほぼ半年間二つのクラスを続けて一緒だったNIKOLAIに別れの挨拶。

21時過ぎに帰宅。

夕食はお気に入りのMarks & Spencer版インド料理をメインに
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サラダとご飯で
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今日が滞在330日目。来週の今頃は国際線の機中にいるなんて未だ信じられない。


0時35分就寝。
  1. 2012/03/18(日) 23:24:41|
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Author:oldstudentinlondon
高校時代は生物研究クラブ、大学は理学部生物学科、社会人生活は製薬会社と臨床検査会社、という具合にずっと生命科学の世界にどっぷり浸りきっていたのですが、定年退職が近づくにつれて、これまでとはまったく異なる分野のことを少しでも知りたいと考え、英語、英国文化、芸術等について学ぶことを目的にシニア留学に踏み切りました。
結果として期待以上に充実した時間を送ることができました。真っ先に挙げられるのは、これまでおよそ話す機会もなかったような若い世代の友人達と親しくつき合えたこと、そしてこれまでマスコミ等を通じて間接的にしか知り得なかった国々から来た学生達と話すことを通じてそれらの国に対する自分のイメージが大きく変わったこと、です。やはり海外に住んで改めて日本を見直すということは、年齢に関わりなく極めて意味深いものだと実感しました。
なお、記事中の人名は、知人については本人の承諾を得た場合を除いて仮名を用いています。政治家、アーティスト等広く一般に知られている人については原則として実名を用いています。

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