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定年退職後ロンドンで始めた学生生活の日記

二十歳頃に計画しながら実現には至らなかった海外暮らしの夢を、長い会社員生活を終えた後ついに実行に移しました。行先は、本場の英語をもう一度学び直したかったこと、勉強以外にも滞在生活を楽しめる要素に満ちあふれていることなどからロンドンを選び、2009年4月23日から2010年3月25日までほぼ11ヵ月間滞在しました。従ってこの日記はちょうど2年前の出来事をあたかも現在進行形のように書いているものです。

2010年1月24日(日) 映画をダブルで

7時35分起床。曇時々薄日。気温6~3℃。

晴れそうで晴れないじれったい天気。スカッとした快晴ならウォーキングが良いが、曇天の場合は映画館も良い。そこで、午前中に洗濯と買い物(食料)を片付ける。

13時20分に出発し、Ciné Lumièreへ。本日の上映作品"Orpheé"(オルフェ)はジャン・コクトー監督、ジャン・マレー主演で1949年のフランス映画。

いつもは200人収容の会場に10人も入れば多い方だが、今日は40人くらい入っていてびっくり。ギリシャ神話の翻案であるが、製作年代から考えるとかなり高度な映像技術(特撮)を使っている。鏡を介してこの世とあの世を行き来するところが映画技法の限界に挑戦して成功している、と思う。まだカラー(総天然色)の時代の前で白黒画面なのが余計に特撮効果を強調している。しかし、いかにもというべきかフランス映画らしい難解な作品であった(ギリシャ神話に関する基礎知識の有無が理解度への影響大かも知れないが)。

この後いったん帰宅。

17時のランチはビーフシチューとトースト
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1時間も経たないうちに再び出発し今度はBFIへ向かう。

1日2本観るのは初めてだが、小津監督特集の企画の一環として小津に影響を受けた作品Part 1 として"A Portuguese Goodbye"という映画が昨日と今日の2回だけ上映される。だから今日がラストチャンスである。

ポルトガル人の監督による、老夫婦が都会に住む息子を訪問する旅を描いた"東京物語"の舞台をそっくりポルトガルに置き換えた1985年の映画である。独立したストーリーとして観ればまた違うのだろうが、東京物語を前提にして観ると、ちょっと重苦しすぎるような映画だった。小津作品のほのぼの感、ユーモアがない。やはり笠智衆の醸し出す味わいや間合いを再現するのは無理なのだろうが。

それにしてもこんなに頻繁に映画館通いをしたことは記憶にない。それもだんだん息抜きのためだけではなく、歴史的評価の高い名作を見ておこうという色気(義務感)のようなものが出て来たのは良くないかも知れない、と思いつつ・・・

20時30分に帰宅。

夕食はランチ?が遅かったため梅干、塩昆布で茶漬けのみ ちょっとロンドンに居るのを忘れる・・・
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背中の痛みはまだときどき強くなる。いよいよ帰国まであと2ヵ月となった。


2時00分就寝。
  1. 2012/01/24(火) 23:14:40|
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oldstudentinlondon

Author:oldstudentinlondon
高校時代は生物研究クラブ、大学は理学部生物学科、社会人生活は製薬会社と臨床検査会社、という具合にずっと生命科学の世界にどっぷり浸りきっていたのですが、定年退職が近づくにつれて、これまでとはまったく異なる分野のことを少しでも知りたいと考え、英語、英国文化、芸術等について学ぶことを目的にシニア留学に踏み切りました。
結果として期待以上に充実した時間を送ることができました。真っ先に挙げられるのは、これまでおよそ話す機会もなかったような若い世代の友人達と親しくつき合えたこと、そしてこれまでマスコミ等を通じて間接的にしか知り得なかった国々から来た学生達と話すことを通じてそれらの国に対する自分のイメージが大きく変わったこと、です。やはり海外に住んで改めて日本を見直すということは、年齢に関わりなく極めて意味深いものだと実感しました。
なお、記事中の人名は、知人については本人の承諾を得た場合を除いて仮名を用いています。政治家、アーティスト等広く一般に知られている人については原則として実名を用いています。

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