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定年退職後ロンドンで始めた学生生活の日記

二十歳頃に計画しながら実現には至らなかった海外暮らしの夢を、長い会社員生活を終えた後ついに実行に移しました。行先は、本場の英語をもう一度学び直したかったこと、勉強以外にも滞在生活を楽しめる要素に満ちあふれていることなどからロンドンを選び、2009年4月23日から2010年3月25日までほぼ11ヵ月間滞在しました。従ってこの日記はちょうど2年前の出来事をあたかも現在進行形のように書いているものです。

2009年1月14日(木) ボブ・ディランのチケットを確保

7時35分起床。雨のち曇。気温3~0℃。

もう10日間ほど最高3℃を超えない低温傾向が続いている。今日も朝から雨なのでとりあえず洗濯をする。

今日は"チケットぴあ"のBob Dylan予約申込の抽選結果発表日なのでウェブサイトで確認したところ、とても残念なことに第1希望、第2希望とも「落選」という結果だった。しかし、それであっさりあきらめるほど軽いファンではない。1978年の初来日以来これまでの来日公演をすべて欠かさなかった記録(開催された全公演という意味ではないが)を絶やすわけにはいかない。

そこでインターネットのチケット流通サイトをチェックしていたら何とたちまち3月26日金曜日の分が見つかったので直ちに購入をクリック。正規価格12,000円のところを21,000円ということなので、まあ許容できる範囲と判断した。

と同時にこれで帰国日が自動的に決定したことになる。日本への便は到着が1日先になるので3月25日出発便を予約する必要がある。26日の午前中に成田に着くのでその夜はZepp Tokyoで公演を観て東京で1泊し、27日に約11ヵ月ぶりに帰宅するわけだ。

ランチはビーフシチュー 
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煮込み料理は多目にした方が味が良くなるので鍋一杯作った。しばらくは食べ続けなければならない。

このところ洗濯の回数が増えたため洗剤の残量が減って来たので散歩がてらSainsbury'sまで買いに行く。こういった日用品はWaitroseより安いSainsbury'sで調達することにしている。こちらの洗濯機は顆粒状の洗剤を計って入れるのではなく、タブレット(錠剤)のように固めたものを投入口にセットするのが主流だ。24個入だと毎日洗濯して約1ヵ月分ということになる。

夕食はビーフシチュー パンがご飯に変わっただけ・・・
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ちょっと口直しに塩昆布でお茶漬け これがたまらなく美味い
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さて、今日観たい映画は3本あって、まず"Bent"という1997年に公開された日英合作。ナチス時代のドイツを舞台にしたものでMick Jaggerが女装のホステス役で出演するということでも話題を呼んだものだ。今年はアウシュビッツ解放から65周年なのでその記念上映らしい。

次は1985年公開の独米合作の"Tokyo-Ga(東京画)"。ドイツを代表する監督Wim Wenders(ヴィム・ヴェンダース)作品。こちらは小津安二郎特集の関連企画で、小津に強く影響を受けた各国の監督作品をいくつか取り上げているのだ。

以上2作はBFIだが、最後はCiné Lumièreで上映される今年の新作米SF映画"Moon"。

しかし、昨日観たのも小津作品だったことだし、今日もその流れで"Tokyo-Ga"に決定する。19時20分頃に出発し、上映の30分前に到着。当日チケットを購入し、昨日と同じNFT2で観る。

世界中に存在する小津崇拝者の一人であるヴィム・ヴェンダース監督本人が小津監督の眠る鎌倉までそのお墓(墓石に名前はなく「無」の一文字が刻んである)を訪ね、さらに小津映画の常連役者であった笠智衆へのインタビュー、同じくカメラマンへのインタビュー、その当時(1983年)の東京都心の日常風景、桜の木の下での花見宴会、新幹線、都心のゴルフ練習場、(食堂の店頭にある)料理見本を製作する現場、プロ野球のテレビ中継、パチンコ店内、原宿ホコ天の竹の子族、等々をドキュメンタリー調で撮影した後モンタージュ構成したもので、オープニングとエンディングには小津監督の代表作「東京物語」をそのまま使っているという凝りよう。まさに外人が見た不思議なしかし愛すべき国、という小津監督と日本へのオマージュにあふれた作品だった。

最寄りのWaterlooからはJubilee line 1本で帰れるので便利。23時頃帰宅。それにしても何だか急に帰国が現実のものとして目前に迫った感じがする。


1時20分就寝。
  1. 2012/01/14(土) 23:43:42|
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Author:oldstudentinlondon
高校時代は生物研究クラブ、大学は理学部生物学科、社会人生活は製薬会社と臨床検査会社、という具合にずっと生命科学の世界にどっぷり浸りきっていたのですが、定年退職が近づくにつれて、これまでとはまったく異なる分野のことを少しでも知りたいと考え、英語、英国文化、芸術等について学ぶことを目的にシニア留学に踏み切りました。
結果として期待以上に充実した時間を送ることができました。真っ先に挙げられるのは、これまでおよそ話す機会もなかったような若い世代の友人達と親しくつき合えたこと、そしてこれまでマスコミ等を通じて間接的にしか知り得なかった国々から来た学生達と話すことを通じてそれらの国に対する自分のイメージが大きく変わったこと、です。やはり海外に住んで改めて日本を見直すということは、年齢に関わりなく極めて意味深いものだと実感しました。
なお、記事中の人名は、知人については本人の承諾を得た場合を除いて仮名を用いています。政治家、アーティスト等広く一般に知られている人については原則として実名を用いています。

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