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定年退職後ロンドンで始めた学生生活の日記

二十歳頃に計画しながら実現には至らなかった海外暮らしの夢を、長い会社員生活を終えた後ついに実行に移しました。行先は、本場の英語をもう一度学び直したかったこと、勉強以外にも滞在生活を楽しめる要素に満ちあふれていることなどからロンドンを選び、2009年4月23日から2010年3月25日までほぼ11ヵ月間滞在しました。従ってこの日記はちょうど2年前の出来事をあたかも現在進行形のように書いているものです。

2009年1月13日(水) サイレント映画を観る

9時10分起床。雪のち曇。気温1~0℃。

サルバトーレ・アダモの歌ったシャンソンの名曲"雪が降る"を口ずさみたくなるような天気。これではバスのミステリーツアーにも出かける気がしない。その代わり時間があるので毎日のようにこまめに洗濯をする。

ランチは雑煮 どうにか一杯分だけ残っていたので・・・ 来年の正月はどこでどうして食べているのかなあ?
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午後になるとやはり家にくすぶっているのは落ち着かないのでOxford CircusのHMVへ。行けば行ったでまたCDを2枚購入。日本はもちろん毎年のように出張で訪れた米国でもついぞ見なかった類いのCDがこれでもか!というぐらい並んでいるため、つい買ってしまうのだ。帰国時に困らないかそろそろ心配しないといけないのだが・・・。

水曜日は日本語フリーペーパー"週刊ジャーニー"の発行日なので当然のごとくJapan Centreにも寄って手に入れる。ここも行けば行ったで何か買わずにはおれない。日本でもときどき買っていたビーフシチューミックス等を買う。

17時過ぎに帰宅。早速ビーフシチューの作成に取りかかる。

夕食はそのビーフシチュー これはもう作る前から味がわかっているので安心
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今日はこれで終わりではなく20時過ぎからBFIへ出かける。目当ては20時45分上映のレイトショーである。小津安二郎監督作品の"青春の夢いまいずこ"(Where Now Are the Dreams of Youth?)を観る。6.65ポンド。

BFI NFT2 席数150~160くらいの中ホールである
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今日も満席ではないがほぼそれに近い。小津安二郎は黒澤明等と並んで日本を代表する監督で特にロンドンでは50年以上前にすでに上映されていたらしいので、知名度も高いのだ。日本人客は数えるほどしかいないことからもその作品は英国人に共感されるものを持っているのだろう。

1932年公開の白黒サイレント映画である。サイレントとは言っても無音ではなく、伴奏が付くのだ。1時間半の間ずっとスクリーンの前に置かれたピアノの生演奏でBGMが流れていたのには驚いた。演奏者もたいへんだ。さらに無音であっても台詞がないのではなく、各俳優のアップと同時に画面に字幕が出るのだ。オリジナルの縦書きの日本語の字幕に加えて横書きの英語の字幕も出るのでつい両方読もうと思い結構忙がしかった。

戦後のトーキー作品は日本の映画館でもよく特集が組まれ、これまで何度も観るチャンスがあったものの、白黒サイレントの初期作品を観るのは初めてだった。しかもそれを外国で観るとは思ってもいなかった。しかし今までに観た主に家族を描いた後期の作品群と違って、こんな初期の青春映画も良いものだと感心した。ただしフィルムの損傷が激しく画面はかなり荒れていたのだが・・・。小津作品は50本以上あるそうだが、そのうち現在もフィルムが残っている全35作品を今月と来月ぶっ通しで上映すると言う徹底さである。

ストーリーはいささか古風なところも感じられたが、昭和初期の日本の会社内の雰囲気がよく描かれていてたいへん面白かった。

23時30分帰宅。

2時05分就寝。
  1. 2012/01/13(金) 23:43:07|
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Author:oldstudentinlondon
高校時代は生物研究クラブ、大学は理学部生物学科、社会人生活は製薬会社と臨床検査会社、という具合にずっと生命科学の世界にどっぷり浸りきっていたのですが、定年退職が近づくにつれて、これまでとはまったく異なる分野のことを少しでも知りたいと考え、英語、英国文化、芸術等について学ぶことを目的にシニア留学に踏み切りました。
結果として期待以上に充実した時間を送ることができました。真っ先に挙げられるのは、これまでおよそ話す機会もなかったような若い世代の友人達と親しくつき合えたこと、そしてこれまでマスコミ等を通じて間接的にしか知り得なかった国々から来た学生達と話すことを通じてそれらの国に対する自分のイメージが大きく変わったこと、です。やはり海外に住んで改めて日本を見直すということは、年齢に関わりなく極めて意味深いものだと実感しました。
なお、記事中の人名は、知人については本人の承諾を得た場合を除いて仮名を用いています。政治家、アーティスト等広く一般に知られている人については原則として実名を用いています。

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