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定年退職後ロンドンで始めた学生生活の日記

二十歳頃に計画しながら実現には至らなかった海外暮らしの夢を、長い会社員生活を終えた後ついに実行に移しました。行先は、本場の英語をもう一度学び直したかったこと、勉強以外にも滞在生活を楽しめる要素に満ちあふれていることなどからロンドンを選び、2009年4月23日から2010年3月25日までほぼ11ヵ月間滞在しました。従ってこの日記はちょうど2年前の出来事をあたかも現在進行形のように書いているものです。

2010年1月11日(月) スタンリー・キューブリック

8時15分起床。曇。気温2~0℃。

洗濯機を使い始めて半年になるが今日は初めて洗剤投入口の掃除をした。洗剤は洗濯物をきれいにするためのものなのに、それを投入するトレイが汚れて来るというのは皮肉なことである。湯洗いできれいになったので、早速洗濯をしてみた。もちろん洗濯のできばえはいつもと変わらないが・・・

ランチは昨日Marks & Spencerで買っておいたレンジ加熱食品"ポテトのチリコンカーンとチーズグラタン"にトースト
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16時頃に出発してBFIに向かう。今月の予定表をチェックして面白そうなプログラムを見つけてあったのだ。"Kubrick's Napolen: The Greatest Movie Never Made?"というトークイベントである。

Stanley Kubrick(スタンリー・キューブリック、英語の発音ではクーブリック)はたいていの映画ファンならその名を知っている20世紀の巨匠の一人であるが、恐らく"2001年宇宙の旅"が代表作と言えるだろう。今から見れば2001年は過去のことであるが、映画の発表当時(1968年)は30年以上先の遠い未来を描いた圧倒的な迫力のあるSF映画だった。

Kubrick作品を初めて見たのはカーク・ダグラス主演の"スパルタカス"(1960年公開)だったが、古代ローマの情景のスケールや出演者(エキストラ)の数が半端でなかったことを鮮明に覚えている。彼の作品製作は数年に1本というたいへん寡作の監督であるが、それはどの作品でもものすごく大掛かりなセットやロケを実施したからであり、妥協を許さない完全主義者だったらしい。

実際、"2001年"製作時にはコンピューターや宇宙飛行等がまだまだ想像の世界のものだったことを考えれば、図抜けた構想力に裏付けられた作品だと言える。

早く出過ぎて2時間以上前に着いたが、当日券発売開始は1時間前なのでテムズ河岸を歩いたりBFIショップを覗いたりして時間をつぶす。17時30分の少し前から並んで首尾よくチケットを入手。

NFT3という小さな会場が満席だった
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Kubrickが"2001年"の次回作として製作に取りかかっていた"Napoleon"について、その顛末を丹念に調べ本日のタイトルの元になった本を題材としてKubrickの縁者や知人が各自の知見をスピーチし、話し合うという形で進められた。脚本もほぼ出来上がり、配役を決めて撮影を残すだけのところだったのに、直前に発表された類似のテーマの作品が振るわなかったことからスポンサーが降りてしまって製作中止になったという。もし完成していればナポレオンの幾度もの戦争が大スペクタクルで映像化されていたことだろう。

1時間半くらいで終わったので、バスでOxford Circusまで戻り、今日もまたJapan Centreで食材を買う。

夕食はこれも昨日Marks & Spencerで買っておいたピザ
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1時15分就寝。
  1. 2012/01/11(水) 23:35:55|
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Author:oldstudentinlondon
高校時代は生物研究クラブ、大学は理学部生物学科、社会人生活は製薬会社と臨床検査会社、という具合にずっと生命科学の世界にどっぷり浸りきっていたのですが、定年退職が近づくにつれて、これまでとはまったく異なる分野のことを少しでも知りたいと考え、英語、英国文化、芸術等について学ぶことを目的にシニア留学に踏み切りました。
結果として期待以上に充実した時間を送ることができました。真っ先に挙げられるのは、これまでおよそ話す機会もなかったような若い世代の友人達と親しくつき合えたこと、そしてこれまでマスコミ等を通じて間接的にしか知り得なかった国々から来た学生達と話すことを通じてそれらの国に対する自分のイメージが大きく変わったこと、です。やはり海外に住んで改めて日本を見直すということは、年齢に関わりなく極めて意味深いものだと実感しました。
なお、記事中の人名は、知人については本人の承諾を得た場合を除いて仮名を用いています。政治家、アーティスト等広く一般に知られている人については原則として実名を用いています。

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