fc2ブログ

定年退職後ロンドンで始めた学生生活の日記

二十歳頃に計画しながら実現には至らなかった海外暮らしの夢を、長い会社員生活を終えた後ついに実行に移しました。行先は、本場の英語をもう一度学び直したかったこと、勉強以外にも滞在生活を楽しめる要素に満ちあふれていることなどからロンドンを選び、2009年4月23日から2010年3月25日までほぼ11ヵ月間滞在しました。従ってこの日記はちょうど2年前の出来事をあたかも現在進行形のように書いているものです。

2009年12月30日(水) 雑煮を試作する

7時50分起床。雨。気温5~3℃。

今日も雨が降り続く。

さて、ほとんどの日本人にとって雑煮というものは話し言葉(方言)やファッション等と違ってテレビの影響力を持ってしてもなかなか共通化されることのない最も家庭や地域の食文化を反映したものだろう。「正月に家族揃って食べる餅の入った汁物」という基本的定義以外は驚くほど多様性に満ちた代物で、地域によって大きく類型化することはできるものの、入れる具材の家庭ごとの違いまで考慮して行くと恐らく数十種類、数百種類、いやひょっとしたら数千種類にもなることだろう。

京都では甘くてかなり濃厚な白味噌汁に焼かない丸餅が定番であり、これこそが雑煮だと思っている。しかし他の地域ではその地域の雑煮のレシピをやはりこれこそが標準だと思っているに違いない・・・ことは容易に想像がつく。

物心ついてから毎年食べて来た雑煮を自分で作ろうかと思ったのは今年が初めてで、作り方を明確に把握しているわけではない。まあ目と舌が頼りである。白味噌と丸餅は日本から先日持って来てもらっているので、Japan CentreとSeoul Plazaで仕入れた野菜を加えて作るだけだ。

まず野菜の下ごしらえから。里芋、大根、人参の皮をむき、それぞれ一口大にカットして面取りをし、水から茹でて行く。予定通り昼過ぎにはMAKIKO、WAKU、GOROの3人が相次いで来訪。早速雑煮の仕上げに入る。餅は焼かずにやはり水から柔らかくなるまで茹でる。白味噌(西京味噌)を出汁で溶かす、のではなく白湯で、ただしかなり多量に溶かす。最後は具材を加えて一緒に煮込むのではなく、別々に加熱したものを椀の中で合わせ花カツオを振りかけるだけ、という感じ。下ごしらえには万全を記すものの、あくまでシンプルを旨とするのが京風である。

できばえはまったく予想以上、だった!出汁の味がないため白味噌のほのかな甘味とうま味だけが際立つ(注:以下の写真はすべてMAKIKOの撮影) 
091230E1_convert_20111230100506.jpg

その後、焼き餅、きなこ餅などにしてお腹がいっぱいになるまで餅を食べ続ける。

それからちょっとミスマッチなデザート=Seoul Plazaで買ったケーキに自家製オレンジソース掛け+バニラアイスクリームに自家製ストロベリーソース掛け
091230E2_convert_20111230100529.jpg

お互いに久しぶりに会ったせいもあって話がはずむ。インターンシップの面接の話とか、近隣国への旅行計画の話とか、来年の帰国の予定とか・・・

あっという間に夕方になったので、これも材料は調達済みのキムチ鍋で夕食 インスタントラーメンも鍋に入れた
091230E3_convert_20111230100547.jpg

結局延々と8時間くらいの食事会になったが、少人数だったこともあって本当にいっぱい話に花が咲いた1日だった。新年に備えた雑煮の試作も首尾良くいったし言うことなしだ。

記念写真
091230E4_convert_20111230100606.jpg


2時25分就寝。
  1. 2011/12/30(金) 23:08:01|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<2009年12月31日(木) ニュー・イヤーズ・イブ | ホーム | 2009年12月29日(火) 帰国日程を決めた>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://oldstudentlondon.blog40.fc2.com/tb.php/273-255b36d5
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

oldstudentinlondon

Author:oldstudentinlondon
高校時代は生物研究クラブ、大学は理学部生物学科、社会人生活は製薬会社と臨床検査会社、という具合にずっと生命科学の世界にどっぷり浸りきっていたのですが、定年退職が近づくにつれて、これまでとはまったく異なる分野のことを少しでも知りたいと考え、英語、英国文化、芸術等について学ぶことを目的にシニア留学に踏み切りました。
結果として期待以上に充実した時間を送ることができました。真っ先に挙げられるのは、これまでおよそ話す機会もなかったような若い世代の友人達と親しくつき合えたこと、そしてこれまでマスコミ等を通じて間接的にしか知り得なかった国々から来た学生達と話すことを通じてそれらの国に対する自分のイメージが大きく変わったこと、です。やはり海外に住んで改めて日本を見直すということは、年齢に関わりなく極めて意味深いものだと実感しました。
なお、記事中の人名は、知人については本人の承諾を得た場合を除いて仮名を用いています。政治家、アーティスト等広く一般に知られている人については原則として実名を用いています。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

本ブログの最初の記事 (1)
未分類 (352)

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード