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定年退職後ロンドンで始めた学生生活の日記

二十歳頃に計画しながら実現には至らなかった海外暮らしの夢を、長い会社員生活を終えた後ついに実行に移しました。行先は、本場の英語をもう一度学び直したかったこと、勉強以外にも滞在生活を楽しめる要素に満ちあふれていることなどからロンドンを選び、2009年4月23日から2010年3月25日までほぼ11ヵ月間滞在しました。従ってこの日記はちょうど2年前の出来事をあたかも現在進行形のように書いているものです。

2009年12月13日(日) 今日もフランス映画

8時50分起床。曇一時晴のち雨。気温7~3℃。

ここ3~4週間、BBC Fourで毎週やっている"Transatlantic Sessions"というたいへん素晴らしい番組を楽しみにしている。アメリカ、カナダ、イギリスのアコースティック弦楽器(ギター、マンドリン、ドブロ、フィドル、バンジョー等)のミュージシャンがセッションをしているのを、ナレーションも何も加えずにただそのまま収録したものなのだ。各楽器の達人たちによるフォークやブルーグラスの要素をミックスしたような美しいインストゥルメンタルの演奏と午後の陽光を感じさせるような陰影を強調した映像。時間を忘れてずっと見て(聴いて)いたいような番組だ。

今朝たまたまチケットサイトを見ていると、驚いたことにまさにその"Transatlantic Sessions"というコンサートが来年2月にRoyal Festival Hallで開催されるのを見つけた。メンバーは番組とは少し異なるが、まあ同じ名前のセッションならこれを見逃す手はない。ということで、早速オンラインで購入。29.45ポンド(約4,000円)。料金に端数が付くのは手数料やら何やらが加わるためだ。

ランチは買い置きのスープを暖めて、いつも朝食べているトーストとともに
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午後は昨日に引続いてCiné Lumièreへ。12/1月分のプログラムを見て真っ先に行こうと決めていたのが今日のJean-Luc Godard(ジャン・リュック・ゴダール)の1965年の作品"Alphaville"である。20歳前後の頃に一番よく見た映画はフランス映画だったが、ゴダールは当時最も有名なヌーヴェルバーグの旗手だった。従ってかなりの作品を見たはずだが、何を見たのかもその内容もほとんど忘れてしまっていた。

ただ、主演のAnna Karina(アンナ・カリーナ)の存在感が好きでよく見ていたことは覚えている。ロンドンで見るフランス映画は英語の字幕が付いているので、英語の勉強にもなる、という意識はまったくなくて、台詞を理解して筋を追うためには英語を読むしかないという必要性に追われてとなる。

しかし、過去に観たことがあるかどうかも定かでないこの映画はモノクロのSF作品、と言ってもゴダール監督の他の作品同様非常に抽象的なスクリプト展開の作品なので、ゴダール映画を観ているという感覚は少し甦ったもののストーリーはすっきりわかったとは言い難いままに終わった。と言うか、ゴダール作品は(普通の意味で)わかったとかどうかではなく、素直にその映画の展開に身を委ねる方が正しい、ということもちょうど終わった頃になって思い出した。

何十年もこういう既成概念からかけ離れた作品を観ていなかったせいか、あるいは年齢のせいで感受性が衰えたせいか、以前のようには感動しなかったことが自分でも予想外だった。今日は"French Film Classics"と題したシリーズの一環だったが、ゴダール作品はこの一作だけなので、もう少し以前の感動を呼び戻すきっかけを得ることができないのは残念だ。

夕食はコロッケ、ハム、サラダ
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1時00分就寝。
  1. 2011/12/13(火) 23:23:00|
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Author:oldstudentinlondon
高校時代は生物研究クラブ、大学は理学部生物学科、社会人生活は製薬会社と臨床検査会社、という具合にずっと生命科学の世界にどっぷり浸りきっていたのですが、定年退職が近づくにつれて、これまでとはまったく異なる分野のことを少しでも知りたいと考え、英語、英国文化、芸術等について学ぶことを目的にシニア留学に踏み切りました。
結果として期待以上に充実した時間を送ることができました。真っ先に挙げられるのは、これまでおよそ話す機会もなかったような若い世代の友人達と親しくつき合えたこと、そしてこれまでマスコミ等を通じて間接的にしか知り得なかった国々から来た学生達と話すことを通じてそれらの国に対する自分のイメージが大きく変わったこと、です。やはり海外に住んで改めて日本を見直すということは、年齢に関わりなく極めて意味深いものだと実感しました。
なお、記事中の人名は、知人については本人の承諾を得た場合を除いて仮名を用いています。政治家、アーティスト等広く一般に知られている人については原則として実名を用いています。

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