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定年退職後ロンドンで始めた学生生活の日記

二十歳頃に計画しながら実現には至らなかった海外暮らしの夢を、長い会社員生活を終えた後ついに実行に移しました。行先は、本場の英語をもう一度学び直したかったこと、勉強以外にも滞在生活を楽しめる要素に満ちあふれていることなどからロンドンを選び、2009年4月23日から2010年3月25日までほぼ11ヵ月間滞在しました。従ってこの日記はちょうど2年前の出来事をあたかも現在進行形のように書いているものです。

2009年10月15日(木) バンケティングハウス

7時05分起床。曇のち快晴。最高気温15℃。

朝はほぼ全天に雲が広がっていたが、朝日の部分だけは雲が切れて陽光が美しく燃えていた
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木曜はRegent校舎で"Art and Society"の授業がある。大きな講堂で40~50名が参加。9~10時は講義で、その後12時頃まで現地学習という構成。ちなみに、この授業は同じ内容で水曜クラスと木曜クラスの2日あるという人気授業の一つのようだ。今日は前期10回分の見学費用(入場料)35ポンドの一括徴収があった。

本日の現地学習先であるBanqueting House(バンケティングハウス)はジェームス1世の宮殿の一部として建築された。宮殿は改装を経てホワイトホール宮殿と呼ばれるようになり、その後ヘンリー8世を含む多くの王の住居としてベルサイユやバチカンを凌ぐヨーロッパ第一の規模を誇るに至ったが、17世紀終盤に二度にわたる火事で大半が焼失してその役目を終えた。焼失した美術品の中にはミケランジェロによるキューピッド、ホルバインによるヘンリー8世の肖像画も含まれていた。唯一火災を免れたバンケティングハウスは現在一般公開されており(王室からも政府からも経済的支援は受けず、入場料、維持会費、寄付等で運営されている)、その大宴会場(バンケティングホール)にはルーベンスによる天井画が制作当時のまま保存されている。

入口 宮殿の愛称であったWhitehallが地名(通りの名前)になっている
1015BRONZE_convert_20111015100510.jpg

入口横に掲示された施設概要説明
1015BANQUETINGHOUSESIGN_convert_20111015100451.jpg
"Welcome"の文字が英独仏伊西露日の7ヵ国語で表記してあるのが興味深い。訪問者の多い国順だろうか?

この説明によるとルーベンスに支払われた天井画制作の報酬は現在の貨幣価値に換算して25万ポンド(約3,500万円)だったらしい
1015BANQUETINGEXPLANATION_convert_20111015100432.jpg

これがその天井画(を映すようにテーブルに置かれた鏡)首を90度上に向けなくても鑑賞できるようになっている
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壁画の前では高校生や大学生のグループがレクチャーを受けているところ 
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こういった光景は英国のどの美術館や博物館でもよく見られる。

かくして、今日のクラスは今週受講した3つの授業の中で最も満足度の高いものであった。


夕食はエビフライ、ポテトフライ、サラダ
1015D_convert_20111015100554.jpg


0時45分就寝。
  1. 2011/10/15(土) 23:00:08|
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Author:oldstudentinlondon
高校時代は生物研究クラブ、大学は理学部生物学科、社会人生活は製薬会社と臨床検査会社、という具合にずっと生命科学の世界にどっぷり浸りきっていたのですが、定年退職が近づくにつれて、これまでとはまったく異なる分野のことを少しでも知りたいと考え、英語、英国文化、芸術等について学ぶことを目的にシニア留学に踏み切りました。
結果として期待以上に充実した時間を送ることができました。真っ先に挙げられるのは、これまでおよそ話す機会もなかったような若い世代の友人達と親しくつき合えたこと、そしてこれまでマスコミ等を通じて間接的にしか知り得なかった国々から来た学生達と話すことを通じてそれらの国に対する自分のイメージが大きく変わったこと、です。やはり海外に住んで改めて日本を見直すということは、年齢に関わりなく極めて意味深いものだと実感しました。
なお、記事中の人名は、知人については本人の承諾を得た場合を除いて仮名を用いています。政治家、アーティスト等広く一般に知られている人については原則として実名を用いています。

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