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定年退職後ロンドンで始めた学生生活の日記

二十歳頃に計画しながら実現には至らなかった海外暮らしの夢を、長い会社員生活を終えた後ついに実行に移しました。行先は、本場の英語をもう一度学び直したかったこと、勉強以外にも滞在生活を楽しめる要素に満ちあふれていることなどからロンドンを選び、2009年4月23日から2010年3月25日までほぼ11ヵ月間滞在しました。従ってこの日記はちょうど2年前の出来事をあたかも現在進行形のように書いているものです。

2009年9月24日(木) ロックスターと接近遭遇

7時起床。快晴。最高気温20℃。

今月は午後の授業だけなので、午前中はゆっくりする。快晴なので部屋の中にも陽光がたっぷり差し込んで気持ちが良い。シーツと掛けふとんカバーを洗濯した。

今日の授業の講師はRAUL。両親はスペイン人だが、本人は英国生まれの英国育ち。師匠であるHUGH譲りのなかなか上手い教え方だと思う。と言うか、いろんな文例をしゃべりながら同時にひっきりなしに板書もする。ので、こちらも目と耳と手と口を総動員で息を抜く暇もないのだ。

でも、次々に示される例文は本当にライブ感覚にあふれるもので、一言も聞き逃したくない、という気にさせてくれる。例えば朝会ったときの挨拶の例:
"How is it going?"
"Not bad, thanks. And yourself?"
"Year, same here."

こういった軽やかなリズムでサクサクと会話ができれば、さぞかし気分が良いだろうなあ、と思わせる。

そんな調子で授業が終わった後、Piccadilly Circus近くの土産物店Vinmagへ壁に貼るポスターを探しに行った。常時数十枚のポスターがページめくりのように展示してあるので、いろいろ見て結局The Beatlesのポスター(4.99ポンド)を選び、入口のレジに向かおうとした。

その瞬間だった、前方でこちら向きに立っていた客とモロに目が合ったのは。距離は3メートルくらい。あれ、見たことのある人だなと思ったのが多分0.2~0.3秒、それから、アッ!と思ったのと、それがRon Woodだと認識したのがほぼ同時だった。

Oh, my God! The Beatlesのポスターを手にして(もっとも丸めているので何かはわからないはずだが)The Rolling StonesのRonに会うとは!!何と言う妙な状況だろうか?

以上、全部で1秒くらいの出来事。英国人は他人のプライバシーをとことん尊重する国民だから、自分もそれにならって相手が誰だろうとじろじろ見つめたりはしないし、やけに若い女性の連れと一緒だってことも一瞬網膜に映ったが、すぐに目をそらしたのだ。

そっと視線を巡らせても店内にいた他の客の誰一人として彼を見てはいない(単に気付かなかったからなのかどうかは一切不明だが)。そんなわけで、何もなかったような普通の態度で支払をして店を出た。

しかし、さすがに驚きの感覚はその後しばらくの間、心を波立たせていた。そこは人通りの多い道路から少し奥まった所にある店だったのだが、人混みに戻るとすぐにもう今のことは思い出に変わっていた。後から考えると、もしあれがKeith Richardsだったら心臓が止まるほど強烈な驚きだったかも知れない。さらにもしMick Jaggerだったら??それは想像もできない。だけれども、それはRon Woodが他の二人に比べて役者が下だと言う意味ではもちろんない。共に1960年代に誕生したThe Rolling Stones、The FacesというBritish Rockを代表するバンドの歴代最高の技巧派リードギタリストとして大スターであることは疑いないし、いやそれだからこそ、ここは彼らもまた普通に生活しているLondonなんだ、と強く印象づけられた出来事だった。

夕食は玉ねぎバージョン回鍋肉とストック切れのためきゅうり抜きのサラダ
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00時45分就寝。
  1. 2011/09/24(土) 23:50:51|
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oldstudentinlondon

Author:oldstudentinlondon
高校時代は生物研究クラブ、大学は理学部生物学科、社会人生活は製薬会社と臨床検査会社、という具合にずっと生命科学の世界にどっぷり浸りきっていたのですが、定年退職が近づくにつれて、これまでとはまったく異なる分野のことを少しでも知りたいと考え、英語、英国文化、芸術等について学ぶことを目的にシニア留学に踏み切りました。
結果として期待以上に充実した時間を送ることができました。真っ先に挙げられるのは、これまでおよそ話す機会もなかったような若い世代の友人達と親しくつき合えたこと、そしてこれまでマスコミ等を通じて間接的にしか知り得なかった国々から来た学生達と話すことを通じてそれらの国に対する自分のイメージが大きく変わったこと、です。やはり海外に住んで改めて日本を見直すということは、年齢に関わりなく極めて意味深いものだと実感しました。
なお、記事中の人名は、知人については本人の承諾を得た場合を除いて仮名を用いています。政治家、アーティスト等広く一般に知られている人については原則として実名を用いています。

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