6時30分起床。曇のち晴のち快晴。最高気温25℃。
今朝は幸い気分が元通り普通の状態に戻っていた。
今日の授業で取り上げられた映画は何と"Tokyo Story"。個人的にも好きな監督である小津安二郎の1953年の作品「東京物語」である。小津作品には必須のキャストである笠智衆と東山千栄子の扮する夫婦が東京にいる息子達の家庭を訪問するという小津監督晩年の代表作の一つである。
ロンドンで英国映画について学習しているときに急に日本のしかも半世紀以上前の映画が題材に出て来るとは想像していなかった。邦画を英語の字幕付きで見るというのもへんな感じではあるが、15日間という限られた授業で取り上げられるというのは、それだけインターナショナルな評価が確立されていることの反映だからとても誇らしい気分でもあった。
世界中の映画監督の中に小津ファンがいることは知っていたが、とりわけ英国人にとっては内向的な性格や感情をはっきり表に出さないところ等が似ている日本人のストーリー構成は感覚的にも受け入れやすいのかも知れない。
感情の起伏が大きいラテン系ヨーロッパ人にとってはゆっくりした動きと無表情に代表される東洋的エキゾチズムの印象の方が勝っているかも知れないが・・・。西洋人の観客にとっては、いつまで経っても何も起こらない退屈なストーリーという評価をする向きもあるらしいが、少なくともこのクラスの学生にとってはたいへん興味深い作品と映ったようである。
講師の解説でも小津作品の位置づけとしてハリウッド映画の対極として紹介されていた(単純な比較が本当に的確かどうかはともかく、授業を進めるための題材としてはそういうことで選ばれたのだと思う。同じ日本の監督でも黒澤明の作り方は逆にいたってハリウッド的であるが・・・)
技術面からも、動きが少なくローアングルを基本とするカメラワークは小津を特徴づける一つの型である。
今日はこの作品の母国民としての誇りを持って意見を述べることができた(日本人に聞かせたら陳腐な意見にしか聞こえないかも知れないが)。
ランチは学食でOrange Beef(煮込み?)3.35ポンド。
今日のWalking Tourのテーマは"Load Mayor and Guild Hall Art Gallery(ロンドン市長とギルドホール美術館)"。
王立証券取引所

通信社の創業者ロイターの像

銀行家ジョージ・ピーボディの像

ゴールドバー(金の延べ棒)1本の時価は230,030ポンド(約3,200万円)

一人ずつ実際に持ってその重さを体験できる人気アトラクション→これ1本で家が買えるかも?

ギルドホール(市庁舎)

受付への通路

フィートとヤードの標準原器

メートル原器

チャーチル像

Tour終了後、サッカーのチケットを買いにTROCADEROのチケットショップへ。一つはTottenham HotspursのホームWhite Hart LaneでのLiverpool戦、もう一つは間もなく日本へ帰るSEIさんから帰国前の記念にと頼まれたEmirates StadiumでのArsenal vs Portsmouth戦。
こちらでのチケット購入の仕組みは申込時に全額を現金で払い、試合当日の指定された時間に取りに来るというものである。客にとっては面倒だが、多分ブローカーネットワークで直前まで融通し合って最後に現物を引き渡すためなのだろう。両試合ともビッグクラブが絡んだ対戦のためプレミアムがついた価格は1枚100ポンド。Face Value(額面価格)は30~40ポンドだから、安くはないが無茶苦茶ボラれている感じはしない。
イングランドのトップリーグの試合のチケットは大半がそのファンクラブ内で需給が完結することが多く、一般発売として市場に出回る枚数は極めて少ない(またはまったくない)からである。これまでも旅行で英国に来る時は事前に日本のチケット専門業者に依頼することが多かったが、ビッグクラブ絡みのチケットだと手数料込みで1枚2~3万円はかかるのが普通だからである。
夕食はほうれん草、玉ねぎ、ベーコンを炒めたもの。簡単に作れるわりにはなかなか美味しいのだ。

00時00分就寝。
- 2011/08/14(日) 14:46:21|
- 未分類
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0