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定年退職後ロンドンで始めた学生生活の日記

二十歳頃に計画しながら実現には至らなかった海外暮らしの夢を、長い会社員生活を終えた後ついに実行に移しました。行先は、本場の英語をもう一度学び直したかったこと、勉強以外にも滞在生活を楽しめる要素に満ちあふれていることなどからロンドンを選び、2009年4月23日から2010年3月25日までほぼ11ヵ月間滞在しました。従ってこの日記はちょうど2年前の出来事をあたかも現在進行形のように書いているものです。

2009年7月20日(月) ナショナルギャラリー/ドックランズ

7時30分起床。晴のち曇。最高気温22℃。

4週間のサマーコースの授業で唯一の全クラス合同学外学習日。そのため通常より1時間遅い10時にNational Gallery(ナショナルギャラリー)前に集合だったので、昨夜の遅い帰宅と就寝が影響を残すことなくラッキーだった。

博物館も美術館も英語ではMuseum(ミュージアム)だと思っていたが、イギリス英語では両者は厳密に区別されていて、博物館はMuseumで、美術館はGalleryだ。

19世紀前半に設立されたNational Galleryは、その後広いスペースを獲得するために、ロンドンの観光名所の一つであるTrafalgar Square(トラファルガー スクエア)に移転した。
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ライオンは英国の象徴
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National Galleryのメインビルディング
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もちろん入場は無料である
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"Sainsbury Wing"は大型スーパーチェーンであるSainsbury'sの創業者一族の寄付によって1990年代に完成した一番新しい建物である。
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今日の学習の目的は、展示されている数多くの絵画の中から自分の好きなもの1点を選んでその概要となぜそれが良いと思うのかをまとめて、明日の授業で発表するということなのである。

そのような説明を入口ロビーに集合して聞いた後、各自館内に散らばって、自分の課題を終えれば自由解散である。

しかしいざ取りかかってみると、13世紀から20世紀までのさまざまな国のさまざまな時代のさまざまなスタイルの絵画から1点を選び出すと言うのはかなりたいへんなことである。元々好きな絵画があればそれを選んだことにすれば簡単かも知れないが、興味のあるジャンルは20世紀の近代絵画が中心のため、展示品の中にあるかどうかもわからない。

そこでまずは先入観なしに一通り見て回ることにした。とは言え、年代順に60以上もの部屋に分かれた絵画を一つ一つ丁寧に見ていてはとても午前中に終わりそうにない。そこで、18~20世紀の作品を展示した辺り(それでも13室分!)から時代を遡って見て行くことにした。

何とかすべての部屋の絵画をざっと見て回ることができたので、次は気に入った作品を2階にある"ArtStart"と言うマルチメディアセンターのPCで検索して、画家自身のことや絵画の背景等の解説を読む。通常絵画の横の壁面等に貼ってある解説等よりもはるかに詳しい解説が読めるのでなかなかの優れものである。

一つ目はCanaletto(カナレット)というイタリアの画家(一時期ロンドンにも滞在してロンドンの風景画を描いている)。何点か展示してあった中から終世描き続けた故郷ベネチアの風景の一つである"Regatta(ボートレース)"という画題の作品
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今までまったく知らなかった画家だが、超が付くほどの細密描写(生物学実験での顕微鏡を使ったスケッチを思い出す)と写真的な構成がとても印象に残ったので選んだ。

もう一点はVigee Re Brun(ビジー ル ブラン)の自画像
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こちらはただもう、人物(画家本人)の申し分のない美貌に心惹かれたから。

明日の発表までにどちらか決めなければならない。美術館や博物館で食事することは好きだが、12時半頃まで夢中になって見て回ったので、残念ながら十分な時間がなく徒歩で大学に戻る。
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途中でパンとミネラルウォーターを購入して大学のPCスペース(兼談話室)でランチ(写真なし)。

急いだのは、午後のウォーキングツアーに参加するためだ。今日の行先はDocklands(ドックランズ)。Bank駅で地下鉄からDLR(Dockland Light Rail)に乗り継ぎ、Mudchute駅で下車。まずはすでに一度来たことがあるAnimal Farmへ。
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標識は子どもでもわかるように絵文字である
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Port of Londonはかつて世界一を誇る港だったが、第二次大戦中に独軍の波状爆撃で壊滅し、戦後ようやく復興したのも束の間、今度はコンテナ輸送に対応可能な新しい港にその座を明け渡した、という歴史がある。

何年もの間廃墟となっていたところが、1990年代に高層オフィスおよび住宅地として生まれ変わった
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その向こうに見えるのがドックランズ地区である。いかにも再開発地区という風景
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ここだけ見るととてもロンドンには見えない
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この辺りには英国で最も高いビルが立ち並び、The Cityにも匹敵するオフィス空間が広がっている
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それにしても中国人学生は本当にいつでもどこでも写真を撮っている
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日本人も昔はそうだったはずだが、そう言えばこの頃はカメラを首からぶら下げメガネをかけた日本人観光客の団体が旗を持ったツアコンに引率されているさまなんてほとんど見なくなった。レッドリスト入りしたのか?

証券取引所?
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オフィスビルの隣には真新しい高価な住居用フラットが並ぶ
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中央奥にあるウニのような白いドームは"O2 Arena" ここはロックコンサート等もよく開催されるところ
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香港にでもありそうな水上レストラン? 実際、中華レストランらしい
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ツアーの終点Canary Wharfには地下鉄Jubilee Lineの駅 何とここから乗り換えなしで帰れるのだ
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17時帰宅。

今日はテレビの配達指定日で配達予定時間は17~21時である。日本なら普通2時間くらいの幅だがこちらでは4時間でも良い方で7~15時なんて広い幅のケースもあるらしい。そんなことでは早起きしてほぼ1日待っていないと行けないではないか!
と思っていると20時15分に電話がありもうすぐ届けるとのこと。そして20時30分頃についに到着。おまけに3階まで快く運んで来てくれた。

21時前はまだまだ明るいので早速アンテナケーブルを自分でセッティング。 

SHARP AQUOS 32インチの存在感
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売場で見たときよりも大きい感じがする。これで明日からまた朝のBBCニュースが見られる。

夕食はHot Chicken Vindaloo(写真撮り忘れ) 3点。

と言うわけで、今日も長いながらもとても充実した一日だった。

0時10分就寝。  
  1. 2011/07/20(水) 14:45:08|
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oldstudentinlondon

Author:oldstudentinlondon
高校時代は生物研究クラブ、大学は理学部生物学科、社会人生活は製薬会社と臨床検査会社、という具合にずっと生命科学の世界にどっぷり浸りきっていたのですが、定年退職が近づくにつれて、これまでとはまったく異なる分野のことを少しでも知りたいと考え、英語、英国文化、芸術等について学ぶことを目的にシニア留学に踏み切りました。
結果として期待以上に充実した時間を送ることができました。真っ先に挙げられるのは、これまでおよそ話す機会もなかったような若い世代の友人達と親しくつき合えたこと、そしてこれまでマスコミ等を通じて間接的にしか知り得なかった国々から来た学生達と話すことを通じてそれらの国に対する自分のイメージが大きく変わったこと、です。やはり海外に住んで改めて日本を見直すということは、年齢に関わりなく極めて意味深いものだと実感しました。
なお、記事中の人名は、知人については本人の承諾を得た場合を除いて仮名を用いています。政治家、アーティスト等広く一般に知られている人については原則として実名を用いています。

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