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定年退職後ロンドンで始めた学生生活の日記

二十歳頃に計画しながら実現には至らなかった海外暮らしの夢を、長い会社員生活を終えた後ついに実行に移しました。行先は、本場の英語をもう一度学び直したかったこと、勉強以外にも滞在生活を楽しめる要素に満ちあふれていることなどからロンドンを選び、2009年4月23日から2010年3月25日までほぼ11ヵ月間滞在しました。従ってこの日記はちょうど2年前の出来事をあたかも現在進行形のように書いているものです。

2009年7月13日(月) バースデーパーティ

6時30分起床。曇のち晴。最高気温22℃。

新居で迎えた朝 ダイニングルームの窓が東向きなので目映い陽光が既に高い角度から差し込んでいてとても気分が良い
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テレビもラジオもないのはやはり寂しい感じ 窓を開けているのに町中とは思えないようなほとんど無音と言ってもよい静かさ
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いかにもまだ引っ越して来たばかりの何も無さが目立つ
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ベッドルームの窓は南向きだが隣の建物が近いので日中でも直射日光はあまり入らない
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昨夜うるさかった洗濯機 ベッドから1メートル足らず 夜の洗濯は今後止めよう
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昨日トースターは買えたが食パンは買えなかったので、今日の朝食は有り合わせ 紅茶葉もティーポットも買えなかったのでとりあえず緑茶をティーバッグで
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通りを挟んで向かいには教会 
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教会から駅へ向かって隣にはよろず屋のような個人商店がある 昨夜は確認しなかったがここは日曜の夜間も開いているかも
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フラットの前がバス停 
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しかし今日はバスではなく地下鉄で通学.徒歩3分のWest Hampstead駅からJubilee Lineに乗る
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隣のFinchley Roadで下車 同じホームでMetropolitan Lineに乗り換え
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次のBaker Streetで今度はBakerloo Lineに乗り換え2駅目のOxford Circus着。West Hampstead駅からここまでの実乗車時間は乗り換え時間も含めて17分間だったが、乗り換え2回がちょっと面倒。家を7時40分頃に出発して授業開始の50分前に大学に着いた。

今日の講師はSALLYでテーマは家族。とは言えここは究極の自由社会である英国なので、テキストの内容は同性カップルとかゲイファミリーとかのエピソードが出て来るため、我々日本人や中国人の学生にはなかなか日常的とは言い難い話題でペアになってのディスカッションも今イチ盛り上がらず。

それに今更4~6月のクラスを懐かしがっても仕方ないが、やはり授業に覇気がない感じが消えない。遅刻者も多いし・・・

ランチは以前のように同じクラスも別のクラスもランダムに皆で話をしながら賑やかに、とは行かず。学内カフェが営業していないこともあるが、サンドイッチか何かを持参している人もいる。

そこで、だいたい近くのサンドイッチレストランへ行くことが増えた。今日は"E.A.T."というところでベーコンとチーズと野菜のサンドイッチとコーヒー(写真なし)。5.48ポンド(約800円)。近隣のサラリーマンも多いが、店内はがさがさしてはおらず雰囲気は悪くない。

昨夜と今朝はあまりの静かさに参ったので、John Lewisにテレビを買いに行く。30分ほどいろいろ見比べて熟考の末、特価表示のあったSHARPのAQUOS32型に決定。SAMSUNGやLGを避けたわけではないが、余り価格差がなければ画質の良い方が欲しい。それでも599ポンド(約86,000円)はロンドンに来てから一番高い買物だった。

日本なら明日配達となるところだが、ここではそんなスピードは期待できないし、誰も期待はしていない(と思う)。1週間待たねばならないので、無音状態解消のためにラジオもと考えたが、持ち帰るなら少しでも近い方が良いので、Sainsbury'sで買うことにした。

昨日ステイ先を引き払った後でカレンダーを忘れたことに気付いたので、ステイ先に電話したら保管していてくれたので引き取りに行った。それから引っ越しと同じ経路のバスでFichley Roadへ。

Sainsbury'sではラジオだけでなくバスマットやら食料品やら食パンを切る包丁やらを買い込む。ラジオは39.99ポンド(約5,800円)だったが、ラジオを買ったのはいったい何十年ぶりだろう。
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16時00分帰宅。

今日の午後、昨日ヘルプに来てくれたGOROから電話があって、今夜彼の住んでいる寮でパーティをやるから来ないか?というお誘いがあった。学生寮には一度行ってみたかったし、また前のクラスメートとも会えるので一も二もなく了解。

名目はMIYUKIのバースデーパーティだそうである。となると、何か持って行った方が良いのかな?と考えたが、花束なんてガールフレンドでもないので大げさかも知れないし、そうだ食べ物が良い!と結論。

寮はVictoria Stationが最寄りなので、そこへの途中にあり、かねてから気になっていたPiccadilly Circus近くの源吉兆庵で和菓子を買うことにした。
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何人くらい参加するのか定かではないが、くず餅と大福餅合わせて10個を18ポンドで買った。

18時にVictoria駅に到着。道順がわからないので電話したらGOROがすぐ迎えに来てくれた。思ったより離れていて初めから一人で行くのはちょっと無理だった。

寮の入口でポーズを取るGOROとTAKASHI
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入って見るとかなり大きな寮で各フロアにエレベーターを取り巻くように個室が数十室並んでいる。バスルームとキッチンは共用だが、各フロアに複数ずつあり、今日はそのキッチンの一つを占領して食事の準備が始まっていた。メニューはカレーライスとかみそ汁とか純日本食だった。AMIが調理の中心のようだったが、こういうメニューはまったく予想していなかったので、口にした途端に長い間すっかり忘れていた日本の日常の食事を思い出した。

別に特別な主義とか強い理由によるわけではないが、海外で自分から進んで日本食を食べることは付き合いの場合を除いてほとんどない。もう渡英後2ヵ月半ほどになるが、そう言えば一度も日本食は食べていなかったのだ。しかし、今日で考えが変わった、というかこれからは存分にいくらでも自炊ができるので、誰かを呼んで食事会もしたいものだ。そのためにはやはり日本食のメニューもあった方が良いに決まっている。日本の味を噛みしめながらそんなことを考えていた。

参加者は途中出入りがあったが延べ9名だった。和菓子は好評だったが結局余ってしまったので、MIYUKIにお土産として持って帰ってもらうことになった。彼女はICCの学生ではなく、日本の大学を卒業後ずっと欧州に住んで働いて来て、今年の2月頃にロンドンに引っ越して英語を学び始めたそうである。従って他のほとんどの学生たちより年上で、そう言えば6月下旬の休暇中にEdinburghで皆と再会した際に少しだけ個人的なことを聞いた覚えがある。いやもっと前に、そう5月にあった大学の課外プログラムのCambridge Tourのときにしばらく話をしたのが、クラスルームで授業としての会話以外では最初だったのだ。

彼女はこの寮の住人ではなく、他にもホームステイしている人や別の寮に住んでいる人などが何人かいたので頃合いを見計らって揃って帰途についた。

22時00分帰宅。

早速ラジオの電源を入れてチューニングが合った途端に聴こえてきたのは、何と The Rolling Stones の"Ruby Tuesday"! 4月にロンドンに到着した翌朝、いきなり頭の中で聴こえたのが The Beatles の"We Can Work It Out"だったことと言い、こうして書いているとまるで見え透いた作り話のようだが、まったく本当に本当の出来事なんだ! 意図もせずにこういったことが起こるのは、まさしくロンドンにいるからこそだと思うし、どちらも他のどの曲よりも特別好きだった曲と言うわけでもないが、絶妙のタイミングで他ならぬこれらの曲が(選曲されて!)聴こえたのはもう奇跡に近いものなのだ。今、何だかわからないが、これまでの人生がすべてこの一瞬に凝縮しているかのような厳粛な気持ちになった。

23時40分就寝。
  1. 2011/07/13(水) 02:37:52|
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Author:oldstudentinlondon
高校時代は生物研究クラブ、大学は理学部生物学科、社会人生活は製薬会社と臨床検査会社、という具合にずっと生命科学の世界にどっぷり浸りきっていたのですが、定年退職が近づくにつれて、これまでとはまったく異なる分野のことを少しでも知りたいと考え、英語、英国文化、芸術等について学ぶことを目的にシニア留学に踏み切りました。
結果として期待以上に充実した時間を送ることができました。真っ先に挙げられるのは、これまでおよそ話す機会もなかったような若い世代の友人達と親しくつき合えたこと、そしてこれまでマスコミ等を通じて間接的にしか知り得なかった国々から来た学生達と話すことを通じてそれらの国に対する自分のイメージが大きく変わったこと、です。やはり海外に住んで改めて日本を見直すということは、年齢に関わりなく極めて意味深いものだと実感しました。
なお、記事中の人名は、知人については本人の承諾を得た場合を除いて仮名を用いています。政治家、アーティスト等広く一般に知られている人については原則として実名を用いています。

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